予感

 別に、東に向かって歩いていたっていう、そういうつもりだったわけじゃない。ただ単に前を向いて歩いていただけ。でも、そこに貴女はいた。昨晩から降った雨はようやくあがった様子で、とはいえ、頭上は一面グレイに覆われていたのに。たまたま東の空だけが、ちょっとよどんだ蒼色が藍色の雲の間からのぞいていて、そして、そこに貴女はいた。
 どきっ。こんなに白いことってあったっけ?この白はいったいなに?一瞬立ち止まって、そしてまた一歩踏み出す。視線はずっと貴女にとらえられたまま。カメラあったらな、、、そうは思ったけれども、デジタルの記録ではなくて、記憶の記録に残すのもいいもんだ。いつだったか、以前も同じ場所で見ることが出来た貴女の様子が蘇ってくる。連想記憶。こんなことって、デジタルの世界ではまだ実現されていないから。そう、あの時は貴女の下を飛行機が飛び去っていったんですよね。細い雲をひいて。
 今日はそのまばゆいほどの白さが僕を圧倒。まだ陽は沈んでいないから、輝いているっていうふうに感じることなんて、ないと思っていたけど、でも、貴女は輝いていた。その光を感じた気がした。自分の体を通り抜けていく光を。
 週末はほんとに素晴らしい貴女に会えそうな気がする。そんな予感がした。


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