ついにこの日がやって来ました。大好きなマラ9を弾くために、練習ごとに楽器をかついで炎天下のもとを歩いて移動し、気がついたら結局無遅刻無欠席のまま本番に突入していたとか、そういう話もありますけども、そんなことはどうでもよくて、これはいわば、僕がオケでどんな音楽をやりたいのか、というその1つの集大成だったのかも。
はっきりいって、このオケは特殊。少なくとも、自分が今まで参加してきたどのオケとも違って特殊。なぜなら、まず、そこに「曲」があったから。マーラーの交響曲第9番という曲がそこにあって、そして、そのまわりに人が集まってオケが出来上がった。そんなことって今までなかったし、僕にとっては理想的なオケの1つの体制だったわけ。そして、こんな体制もやっぱり可能なんだと、そういう風に実感した瞬間でした。
寄せ集めっていえば、確かに否定は出来ないから、本番の間も冷や冷やすることたくさん。早く、ミスのないうちに、終わりに向かって欲しい、って思うこともあったけれども、4楽章のコーダに入ってしまったら、もう、これで終わりなんだな、と反芻しながら、そして、最後の音はゆっくりとホールの隅へと消えていった。物音1つない静寂。これが、今までの結果すべて。ほんと、無理をたくさんしながら、参加してよかったな、と。
妥協とか、そう言うんじゃないけども、「またいつかこの曲をやりたいな」って思わなかった2度目の演奏会。こんな想いで、この曲にのぞんで、みんなでやって来ることなんて、もうありえないって思ったから。みなさんほんとにお疲れさまでした。聴きにきてくれたみなさんもどうもありがとうございます。あんなにぎっしりつまった客席を見ながら演奏することも、もうそんな担いでしょうね。
まだずいぶんと余韻に浸っていて、マラ9はずっと頭の中を駆け巡ってるけども、じつは明日はまた別のオケの練習だったりするわけで、気持ちを切り替えて頑張っていきましょう。