能楽観賞会

 こういうのを大学側が執り行ってくれるというのはいいことだと思います。ほんとに。6月の創立記念日にあわせた演奏会といい。特に今日のは、日本の伝統文化に触れる、という意味でもいいことかな、と。で、行ってきたわけです。狂言や能って一応高校時代に1回だけみたことがある(狂言はもっと見てるかも)わけなんですが、能はずいぶんと睡魔と戦っていたことだけ記憶にあります。なんで、今日はちゃんとみたいな、と。
 やっぱり、狂言はずいぶんと親しみやすいですよね。話の内容も分かりやすいし、多分、事前に解説なんかを読んでいないとしても、笑い所ではちゃんと笑えることでしょう。だけども、能のほうは・・・やっぱり、僕らって、ああいう文化に簡単には慣れ親しめないような、そんな生活をしてますよねえ、って思います。静けさであったり、非常にゆったりとした時間の流れであったり、それこそほんのわずかな仕草であったり。舞台っていえば、テンポよく進むもんだったり、音楽がいいてもそれは派手だったり、とかそういう感じで。
 今回の演目は「鉢木」というやつで、それこそ道徳の教科書にでも載ってたんじゃないかっていうお話でした。文章にしたら、多分読むのに10分もかからないでしょう。日本昔話、とかいう感じにしてしまえば、それでも15分くらいのお話になるかと。それを2時間近くかけて演じるわけだから、そこら辺の感覚っていうものが、もうすでに僕の中には乏しいかも。例えば、歌劇とかオペラとかにしたらそれこそ2時間くらいなんていうのはほとんどありえないほどに短い部類に入ると思いますけども、それはもともとの話もずっと長いから、それでもまあ僕にとっては大丈夫なわけですが・・・次どうなるのかな?と考える、といいますか、だいたいゆっくり進むもんだから、次はこうなるはずだけどなかなかそこまで進まないなあ、とかそんなことを思ってしまうほど。いかんですねえ。そういう意味では、これこそが僕にとっては異文化ですよね。自国の伝統文化なのに。
 ま、それと、解説にもあったんですが、舞いとか、そういう類いのものは一切ない、そういう演目だったこともあったんだろうな、と。だから淡々と話が進んでいるようでしたし。そこら辺が初心者的には、入門編としてはあまり適してなかったのでは、と思ったり。ま、いいか。
 そんな感じだから、なんか、やっぱり他人のマナーの悪さについ気をとられてしまったり・・・(目の前だったしなあ)・・・いやいや、まあ、結論的には、いい経験でした、とまとめておきましょう。
 で、明日から、地元の大学でおこなわれる研究会に出席するために、実家に一時帰省です。


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