喫茶店にて

 今日は、昼間の演奏会が始まる前に、先週行こうと思って、いつの間にか通り過ぎてしまったお店へ再度挑戦。先週の時のあとも何度かその道を通ることがあって、一応ちゃんと場所を確認しておきました。まあ、たしかに通り過ぎてしまう気持ちも分かる気がしますけどね。結構目立たないし。
 さて、僕が行くようなお店にはだいたい2種類ありまして、昔ながらで外観も中身も古めかしく中に入るとテレビがついてて馴染みのおじちゃんとかが店の人と世間話をしているようなところ、あるいは、こざっぱりした店内には静かにクラシックとかジャズとかが流れているようなところ、ですね。で、今日のは明らかに前者。店にはいると、違うテーブルに座ってるおじちゃんが二人世間話をしていて、お店のおばちゃんはその横で新聞読んでました。テレビには囲碁が流れてた。
 で、こんなやりとりを。「ランチってなんですか?(カレーもあったけど、それは前回の教訓から即却下)」「日曜だからねえ、あんまりないんだよねえ・・・魚の焼いたやつとかだけど、魚とか食べる?」「魚ですか?じゃ、是非」と。魚なんて、自分で焼く秋刀魚くらいしか食べてないですからねえ。で、よく見てると、テレビの下にプレートがかかってて、「サワラの味噌焼」と書いてある。あ、これですか、と。しばらく本を読んでると、お盆にランチ(というか定食だな)がのってやってくる。こういう形式の食べ物もかなり久しぶりな気がする。純粋に茶わんに白ご飯だけが入ってるのを見るのもかなり久しぶり。
 食べながら、ふとさっきのプレートを見ると、そこには先程の「サワラ〜」の文字はなく、あ、僕のが最後だったのね、という感じで。のんびり、味わって食べてますと、家族さんが来店。3人組。テーブルについて、「ランチはなんです?」と。おばちゃんぼくのほうをちらっとみながら「あ〜。すいません。もうないんですよね」とのこと。思わず顔を上げた僕の視線とおばちゃんの視線が一致して、(やっぱり僕のが最後だったんですね?)(そうよ)みたいなそんなやりとりを感じました。その時の視線は結構印象的だったかなあ。もちろんいい意味で。
 他にもおばちゃんとのいくつかのやりとりがありながらも、お目当ての珈琲はまたまたこれがおいしくて。こういうのってやっぱり自分のその時の気分とか、その店に入ってから珈琲が出てくるまでの時間になにが起こったのかとか、そういうことに非常に依存しているんだろうなって思いますけどね。とにかくお店の雰囲気はいい感じだったから、期待していた珈琲も期待通りに飲めました、と。(一応「自家焙煎」っていうことだったから、それに魅かれたんで)
 お金を払うときまで、なんとなくほのぼのとしたやりとりをしながら(ああいうところで「にーちゃん」という呼ばれ方をすると、どことなくもう打ち解けてしまったような錯覚をおぼえるのは僕だけかな?)も、すごくさっぱりとした気分になって、僕は演奏会へ向かったのでした。


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