「音楽と数学の交差」を読みました

ぶらっと本屋に行って気になった本を年末年始にかけて仕事の合間とかにのんびりと読みました。(こういうのあるから本屋ぶらぶらも楽しい)

昔は数学と音楽が同じようにあつかわれていたという話にはじまり、数の世界と音の世界はどうつながっているのか、今後どうなっていくのか、といった感じでしょうか。

個人的には、1オクターブが12音だとして、12の約数でもない素数で最小の5、そしてその次の7が、音程として均等ではないからこそ、特定の音に安定感があり、調として成り立つ、っていうところがなるほど!と思いました。

だから僕らが弾くような西洋の曲は7音で、日本古来のものなどには5音だったりするのか、と。7と5はそこから来てるのかーと。

均一な音階はどこにも向かわない(向かいにくい)から、曲として成立しにくい。特定の音が安定している=音によって安定感に差があるからこそ、音の向かう方向がわかりやすく、音楽として成立しやすいのかと。

あたりまえといえばそうなんですけれど、数としてキレイな不均一さに納得、というところで。

音階まわりの話をもっと詳しくっていえばやっぱりブルーバックスのこちらですかね(ってこれはもう改版されてて新しい別のがでてるみたいですけれど)

「40億年、いのちの旅」を読みました

身内の人が書いた最新刊(多分最後の本になるんじゃないかと本人談)

ジュニア新書といっても専門書じゃないっていうだけで普通にわりと難しい話も出てきて「あ、これまだうちの子にははやいわ」って気もしましたが、大人の私は楽しく読めました。

とはいえ、小中学生向けに出張授業をしていた内容を深堀したということらしいので中学生くらいならいけるのかな。

我々はどこから来てどこに向かうのか。最近歴史的な方面からのアプローチをたくさん読んでた気がしますが、久しぶりに生物的なアプローチを、って感じですね。

なんていうんですかね、著者を知っているだけに、本人の口調で文章が脳内再生されて不思議な感覚でした。まあ、実際大学の講義もきいたことあるしなあ。

ミトコンドリアのくだりで、やっぱり出た「パラサイト・イブ」って思って一人ニヤニヤしてしまった。(当時もその話はしょっちゅうしてたので)

10万年後もヒトは生物としてそんなに変わらないかも、っていう説はなるほど。その考え方はなかったので新鮮。淘汰もいろいろですね。

生物史とか、上にも書いたみたいにどこに向かっているのかみたいな話をざっくりとながめたいという人にオススメ。多少生物の知識あったほうがよいかもですけど、中学以来生物を勉強してない私でも大丈夫だったので多分大丈夫。

こっちでちょっとだけ冒頭が読めるみたい

40億年,いのちの旅 – 岩波書店

なんとなくお気付きの方もおられるかもしれませんが、最後にネタバレしておくと私の父が書いた本です

「もういちど読む山川日本近代史」を読みました

自宅での読書は歴史成分多めで。

高校の時の社会の選択科目が世界史ということもあってか、そもそも日本史の知識は中学生止まり。最近ではすっかり上の子のほうが日本史(近世くらい)に詳しいんじゃないかという話もありつつ、最近気になる近現代史。

この本はちょうど幕末→第二次世界大戦終了までをカバーしてます。

もちろん、歴史にはいろんな立場と見方があると思うので、これも一つの立場ということで読ませてもらいました。

あたりまえだけどすべてが複雑に絡みあって一つの流れとして時代は動いていくんだなあ、ということを再認識。「これが原因」とかピンポイントではないよね。

学校で習うにしても、特に大正-昭和以降くらいはざーっと流されてしまうところだと思うので、そのあたりがなんとなく雰囲気わかったのはよかったです。まあとはいえ、大戦はほんといろんな立場ありますわね。

次は「世界現代史」を読もうと思っているので、またこの時代のことを今度は世界を俯瞰した立場で読んでいけたらと思います。

「エンジニアリング組織論への招待」を読みました

お昼休みにちょこちょこと読んでいてようやく読了しました。

読みはじめたときの感想がここにあるので

読書メモ: エンジニアリング組織論〜 – itokの日記(2018.5.10)

ほぼ3ヶ月かかって読んだってことですね。

まあうちの会社は私一人なので組織論っていうところではほとんど参考にはならないのですけれど、巷でいわれているそのいろんな手法についての取っ掛かりとしては少し雰囲気つかめたかなと思います。そうそう、外部の人とのやり取りにもいかせそうでした。

というより自分にとっては、まさに上の感想にあるように最初の第1章がおもしろかった。純粋に人付き合いの観点で読めました。

そんなわけで、エンジニアな人にはオススメですし、別にエンジニアじゃなくてもなんらかの組織(会社じゃなくても)に属しているような人は読んだらおもしろいかもしれません。

「銃・病原菌・鉄」を読みました

大作をようやく読み終えました。

先日の「サピエンス全史」からの流れで、人類史をちょっと深くのぞいてみるつもりだったんですが、ずいぶんと読むのに時間かかってしまいました。(途中でいろいろと寄り道してほかの本も読んでたから、結局半年くらいかかった気がする)

なぜ地域によって文明の進歩に差が生まれたのか、その謎をひも解くためにとてもとても丁寧な考察がたくさん積み上げられてます。

上巻読んだときにちょっとメモしてたけど、

読書メモ:銃・病原菌・鉄 – itokの日記

それも3ヶ月前だった(そしてメモ少なっ

でもここにも書いてあるように、菌の視点って全然無かったからほんとに新鮮でした。

あと、大事なのは、民族間の生物学的な差はいっさい関係ない、っていうところ。これはほんとに大事にしたい。

20年くらい前の作品なので「サピエンス全史」よりはちょっと古い感じなところもありますが、それでもやはりこの両作品は合わせて読んでおくとよいかもしれません。こちらは文庫版もあるので持ち運びしやすいですし。

「ビーカーくんとそのなかまたち」を読みました

ふっとネットで目にして気になった本を、そのまま本屋で衝動買いしました。(中身がみれるという意味では本屋も大事)

理系な学生時代を送ってましたけれど、専門は理論系だったし、本格的な実験器具とかはほとんど使ったことがない気もしますが、そんな自分でも楽しく読めました。

なんか実験してみたくなるようなそんな感じ。

ちなみに、沸点低くていつも怒ってる液体窒素くんがなんか気になってしまいました。

この本を買ったとき、それを見た上の子が「あ、これ、子供の科学に載ってるやつや」ってことで、子供の科学にも連載されてるみたいですね。そっちは実験そのものっぽかったですが。

・・・って、今本棚をごそごそやってたら、ポスターでてきたよ。(これ、すでに上の子のほうが詳しかったりしそうだ)

実験編も読んでみたいかも。

「嘘の木」をよみました

ネットで流れてきて面白そうだったので手に取って読んでみました。

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時代は19世紀ごろのヨーロッパ。進化論が発表されて議論を呼び起こしているようなそんな時代。

ファンタジー、ミステリー、そして少女の成長物語。

時代物っぽいのに、嘘を糧に育ち、その実を食べた人に真実を見せるという「嘘の木」という架空の植物が出て来て、それを巡って話は進みます。そもそも、この設定がかなり不思議感ただよってきますよね。

こういった時代(社会)を背景にした小説にあまり慣れないこともあってか、女性の描写にちょっと戸惑いつつも、ぐいぐいと引き寄せられてしまいました。

毎日少しずつ読んでましたけれど、やっぱり最後は一気読みになってしまいますね。ミステリー的な要素でいえば、想像もつかないところから犯人がやってきた感じで、そこも普通に楽しめました。

児童文学部門賞受賞ってことでうちの子にもどうかなと思って買ったものの、小学生にはちょっと早いかもなあとか思ったりしつつ、それでもいつか読んでみたらいいんじゃないかと思った今日この頃です。

『イスラームからみた「世界史」』を読みました

600ページ後半の大作でしたがようやく読了しました。

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(写真じゃ伝わらないですが1冊600ページ越えなので結構分厚い)

先日読んだ「サピエンス全史」を買った時についでにおすすめされておもしろそうだったので買ってみました。

歴史の大前提として、いろんな立場からのいろんな見方がある、というのがあると思うのですが、そんな中、主に西洋・東洋ベースの歴史で育ってきた身としては、このミドルワールドベースの歴史はなかなかに新鮮でした。

いわゆる中東に関する認識も、イスラム教に対する認識も変わったんじゃないかなあ。

途中まではほぼイスラーム単独の歴史という感じですが(あまり外部との接触がなかったので)、後半は現在につながる転換期がメインでそのあたりがとても興味深かったです。

本書は2011年なので、これが書かれてからさらに6年が経ち状況は刻一刻と変わっていますが、それでも今現在のニュースについても新しい視点で見られるようになったかと。

というか、そもそも、近現代史って学生時代(一応高校では世界史選択)にほとんど真面目に勉強してこなかったし、どんどん更新されていくので、ちゃんとついていかないとダメですねえ。またそのへんのよさそうな本を物色してみようと思います。

「サピエンス全史」を読みました

巷で話題の歴史物を読んでみました。

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世の中にはいろんなものの見方・考え方がある、というのはもちろん大前提として存在しているわけですけれども、それをふまえた上でもこの本は自分にとっては結構衝撃的だったというか「そんな見方があるのか!」っていうことばかりでした。

とはいえ、割としっくりとくるところが多くて「なるほど、こういうふうに考えたら腑に落ちるのか・・・」ということは多々。

自分的キーワードとしては「想像力」ってところですかね。文中では「妄想」っていうワードもよく出てましたね。

現在・未来は気になるところ。あたりまえですが、残念ながら、未来を振り返ることはできないのですけれども。

上下二巻で割と分量ありますが、読みやすくですいすいと読めました。歴史物って言っても固有名詞とかはほとんど出てこなかったですし、出てきても一般常識で知ってるレベルの人物名くらいで。

さあて、次はなにを読もうかなあ。

全く余談ですけれど、著者が自分とだいたい同世代(ちょっと上)で、すごいなと思うと同時に、自分もそんな年になったのだなあ、と

「世界短編傑作集」を読みました

先日の献血でもらった中古本「世界短編傑作集」の3〜5を読み終えました。

献血日記(87) – いとーけーのページ

なにせあの江戸川乱歩氏が選んだっていうくらいの年代物なのでシリーズ全体としては「十九世紀後半から第二次世界大戦後の現在にいたるまで」(本文引用)のってことになっていて、3〜5巻は1920〜1950くらいの作品がたくさんつまってました。(時代的にはちょうどクリスティのころですね)

どれも短編なのですごく読みやすかったし、それこそ今でいえばそんなトリックもう無いよっていうくらいのもいくつもありました。なにせ海外への電話が無理なので手紙で連絡、とかですしね。

その意味では古典を読んでいる感じでしたが、それが逆に新鮮味があるというか面白かった。

一番印象に残った(読み終えた時のもやっと感、ゾクゾク感がすごかった)は「二壜のソース」だったかな。

今でも普通に売ってるみたいなので1〜2もいつか読んでみようかな。