「街とその不確かな壁」を読みました

久しぶりの新作、ですね。ブログをさかのぼると、自分が最後に読んだのは短編集で3年前だし、前の長編といえば「騎士団長」かと思うとそれはもう6年前で、そんなになりますかっていう感じ。

発売日に入手したものの、演奏会本番前に読みはじめると寝不足になりそうだったからと、その後にぼちぼちと読みはじめ。長編といっても分厚い単行本1冊なので、そんなに長いというわけでもなかったかな。

なんか、こう既視感みたいなのあるよねと思いつつ、同じ人が書いたいろんなたくさんの作品を読んできたわけだからそりゃどこかでいろいろ似たような部分もあるでしょうとか、そういうことを思いつつ、でもそんな感覚も最後までいくとフワッといつもの不思議な浮遊感で、なんとかかんとか(ネタバレ禁止、だけど、帯の文言はなるほど)。

また昔の作品読みたくなるねえ、というのはいつものことですが、今回はまたちょっと違う感じで、それもまた納得というかなんというか。

そういや、これを読んでる時に子に「これはミステリーとかなん?」って聞かれて
「いや、ミステリーじゃないな」
「じゃあ、なに?」
「えーと、、、(村上春樹のジャンルって一言で言うとナニになるの?)、、、強いて言えば、ラブストーリー?」
みたいな。

さて、じゃあ、どれを読みなおそっかな。まずは本作をもう一度っていうのもアリですね(というか、すでに読み直しはじめてる

「一人称単数」を読みました

遅ればせながら、大好きな村上春樹氏の新作を。

発売された時は、ちょうど「三体」を読んでたところだったのでねえ。

短編8編なのでそれぞれ短かったし、すごい読みやすい感じでした。続きが気になって夜更かしするとかもなく、毎晩1話ずつ、みたいな。

もちろんBGMはシューマンの謝肉祭ですよね。以前は氏の作品中に出てくるクラシックの曲を見ては「これ、本を読んでるこの場ですぐに購入して聴けたらいいのに」って思っていたんですが、今やサブスクの時代ですよ。すぐに聴けますね。

まだミケランジェリしか聴けてないけど、AppleMusicにはルービンシュタインもあったので聴こうか。(といってまさにこれを書きながら聴いてます。しかしシューマン、変態やな)

本の影響でシューベルトのピアノソナタ全集も買ったし、シンフォニエッタも聴きまくった時期があったなあ、、、と遠い目。

さて、話をもどして。

短編集なのですが、野球の話はほぼ村上朝日堂みたいだったし、そういうのをはさんでくるのが楽しくてニヤニヤしますな。

猿もいい味出してたし、最後のはなんかめずらしくドキッとして終わりましたね。

というわけで、ファンな人もそうじゃない人も読んでみたらどうでしょう?わりと読みやすいと思うけども。

そういや、最初っから電子で出たの初めて?単行本で買ったけども

「Carver’s dozen – レイモンド・カーヴァー傑作選」を読みました

アメリカ出張中にアメリカの小説(村上春樹訳)を読もうという企画その2。

といっても、道中で読了しなかったので、帰ってきてからも読んでましたが。

今度はレイモンド・カーヴァーです。

短編がたくさんつまって、どれもじんわり心に残る感じ。どの作品も前書きとして選者(訳者)のコメントがついていたので、それもふまえつつ楽しく読ませてもらいました。

やっぱり有名どころな「ささやかだけれど、役にたつこと」とか「足もとに流れる深い川」とかがよかったです。

「ささやかだけれど、役にたつこと」にはもっと(ものすごく)短いバージョンもあるみたいで、そっちもちょっと気になりました。いつか出会う日もあるかもな。

そんなこんなで久しぶりの小説三昧もこれで終わり。さて、次はなんの本を読もうかなあ。

「ティファニーで朝食を」を読みました

WWDC出発前、「アメリカに行く時、なに読もうかな」「私は、海外に行く時はその国の小説読んでだけど・・・」

という夫婦の会話から、「そうか、じゃあ、アメリカの小説を。そういや、村上春樹の新訳がいろいろでていたような・・・」ということで、アメリカの小説(村上春樹訳)を読もうという企画その1。

ずいぶんと昔に映画を観たことはあります。全然おぼえてないけど、とにかくオードリーはきれいだったなあ、とかそういう記憶。

で、実際のところは、と。

もうなんか村上節がっつりで本人が書いた小節じゃないかと思うところもありましたが、それはそれとして、うっすらと記憶の片隅にあったような映画と全然違う印象。(それは本人も後書きで書いてましたけど)

そして普通におもしろかったです。自由人過ぎる。

偶然ながら、飛行機の中での上映映画のリストにこの作品が含まれていたので、帰りの飛行機で(行きはまだ本作読み中だったので)みようかと思っていたんですが、英語音声の字幕なししかなくて、さすがにそれは無理やわぁとあきらめました。


ちなみに、今どきは電子書籍なのかもしれないですけれど、飛行機での電子機器の使用とか、道中での治安的なものをかんがみて、こういう時は普通の文庫本が確実かな、という。

でも、文庫本を欲していたこともあって、ほんとは「グレート・ギャツビー」が読みたかったけど、村上春樹訳の文庫版はなかったのよねえ(あと、ライ麦畑っていう案もあったけど、この歳であの青春小説はつらい気がして・・・

たまにはこういう名作を改めて読むのもよいですね。

「女のいない男たち」を読みました

久しぶりの村上春樹読書。ふらっと、文庫を見つけたので。

文庫なので、ちょっと出先で時間がありそうな時とかに持っていってのんびりと読んでました。

本人も書いてましたが、めずらしくまえがきが充実していて、そこもちょっとおもしろかった。短編集ってそういう感じで書くのかあ、と。

6作の短編集。普通に現実世界の話だけれど、ふわっとした浮遊感はいつも通りという感じでしょうか。どの話もおもしろく読ませてもらいました。

こういうの読むと、またざーっと昔の話も読みたくなってきたりしますね。

「騎士団長殺し」を読みました

「騎士団長」ってだれ?「殺す」ってなに?とタイトルからすでに謎だらけの新作、発売日に手にしてようやく読了です。(注:ネタバレしないですよ。さすがに)

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単行本っていうこともあって持ち歩いたりはせず、夜寝る前に1時間程度読むだけ、っていうスタイルで読みました。(電子書籍もたくさん持ってるけど、いまだに紙のほうがじっくり読める感じあるなあ・・・)

以前だと、文庫本出るまで待つこと多かったし、文庫本なんで通勤途中も使ってかなり一気読みしてましたけれど、今回は自制しつつゆったり読めたかも。とはいえ、最後のほうはさすがに途中で止められなかったけど・・・

なんかあれですよね、相変わらず読んだ後の浮遊感すごいですよね。

もちろん好みはあるとは思いますけれども、面白い話でした。また他の作品も読み返したくなりましたね。「世界の終わり」とか「ねじまきどり」とか「カフカ」とか。

1Q84の時も思いましたけれど、文中に出てくる音楽、その場ですぐに聴けるようになったらいいのにねって。そういう仕組み、もうできてもよさそうなんだけどなあ・・・

ネタバレしない程度に気に入ったセリフを一つ。

ただのおいしいワイン——それでいいじゃないですか

(あ、これだけ読むとニュアンスが伝わらないかもしれないですけれど、蘊蓄はいらないってことです念のため)

で、さっそく便乗。ただのおいしいビール、それでいいじゃないですか

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なんか読書ブームが自分の中に再燃したのでまたいろいろと読んでいこうかなと。

「風の歌を聴け」を電子書籍で読みました

ご存知のように村上春樹好きなので、当然このデビュー作は何度となく読んでるわけですけれども、なんとこの度ずーっと待望の電子書籍化されましたので早速入手して久しぶりに読み直してみました。

気がつけば、村上春樹さんの電子書籍も徐々に増えておりますけれども、ノルウェイの森とかねじまきどりとかも早く電子化して欲しいものです。そうそう、世界の終わり〜もね。

ふと読みたくなった時にどこでも読めるのはファンにはうれしい。

とりあえず、この勢いで羊4部作を再読することにしましょう。もちろんkindleでね。

・・・と思ったら、ダンス・ダンス・ダンスはまだなのか。。。残念。

全く余談ですが、手元にある2冊の文庫本。1990年のが220円(税別)、1999年のが352円(税別)、そして今回のkindle版が421円(税込)でした。四半世紀!の間に価格がほぼ倍になってる。

「1Q84」を読みました

今さら感はもちろんあるわけですけれど、やっと文庫版がでたわけですよ。なのでやっと読むことができました。

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫) 1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)
村上 春樹

1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉前編 (新潮文庫) 1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉後編 (新潮文庫) 1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉前編 (新潮文庫) 1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉後編 (新潮文庫) 1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉後編 (新潮文庫)
by G-Tools

いつも言っていることですが村上春樹大好きです。でも別にそんなにコアなファンっていうわけじゃないですんで、ほとんど全ての作品は読んでいるけれど、細部までをしっかり記憶しているわけでもありませんし、まあほんとにただ好きなだけです。んで、以下はそんな僕の書く他愛もない読書感想文と思っていただければ、と。

まず最初のうちを読んでいた思ったのは「これは最高傑作だ!」と。いやいや、上から目線ですいません。でもほんとにそう思ったんです。そして、全部読み終わってもなおその思いは変わらなかったですね。

自分イメージとしては「世界の終わりと・・・」と「ねじまき鳥・・・」をたした感じ、だったんですが、やっぱり「羊」的な雰囲気もありますよね。まあ、だから「最高」って思うんですけれど。

もちろん多くの伏線(分岐)は回収されない感じ。だけど、最後のページまできて結構「腑に落ちた」のは結構意外。せっかく会えたのに、朝起きたら彼女がいなくなったとか、そういうのざらですから。

読書は主に帰りの電車の中。だから毎日30分程度。BGMはもちろんシンフォニエッタ(このために買ったし、初めて聴いた)。文庫版を待っていたのは、電車の中で気軽に読めるから。ハードカバーだと電車はしんどいです。で、家で読んだらのめり込んで他の作業が手に付かないのわかっていますからね。

文庫版は3ヶ月にわたって発売されたので、だいたい3週間の隙間があって、その間に他の本(勢いで他の村上作品)を読んだりしていました。そのせいもあって、若干話のつながりが曖昧なところもあったかな、と。まあ、なんにしても、来週のWWDC道中で全巻もっていって、もう一度読み直すつもりなので大丈夫です。

いつも思うんですが、それこそ村上作品が電子化されたらいいのになあ、と。そしたら、手持ちの文庫を全部処分して、全部ハードカバーで買い直すのにね。(電子化ってこういうところにも貢献すると思う、個人的には)

あれ?感想文にすらなってない?まあ、いいか

「小澤征爾さんと、音楽について話をする」を読みました

村上春樹好きのクラシック好きなので、もう読むしかないというかなんというか。

4103534281 小澤征爾さんと、音楽について話をする
小澤 征爾 村上 春樹
新潮社 2011-11-30

by G-Tools

いつもながらに村上氏の音楽に対する知識や思い入れ、聞き込みの深さにはびっくりするわけですが、冒頭からグールドやベートーヴェンの協奏曲聴き比べで文字を読んでいるだけなのにどっぷりと音の世界に引き込まれます。

そういえば、小沢征爾指揮の演奏ってあまり聴いたことないなあと思いつつも、その音楽に対する考え方はいろいろと勉強になりました。(勉強にっていっても真似できるもんじゃないけどね)

今はやりの電子書籍なら、ここで読みながら話題に挙がっている演奏を買えたり聴けたりするんだろうなあ、と。

ちょうど、ここ最近音楽活動をぼちぼちと再開している身としては、ああやっぱり自分も弾きたいねえ、というモチベーションにつながるタイミングのいい一冊だったのではないかと。

村上春樹好き、音楽好き、なら是非読んでみることをおすすめします。

羊四部作

先日のアメリカ出張でもっていった本がこれ。

風の歌を聴け (講談社文庫) 1973年のピンボール (講談社文庫) 羊をめぐる冒険〈上〉 (講談社文庫) 羊をめぐる冒険〈下〉 (講談社文庫) ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫) ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)

画像にもあるように普通には青春三部作っていわれてますが、まあ、僕と鼠と羊男の物語としてはこの四作で一続き。

おりしも先月末に待望の新作「1Q84」が発売され(まだ買ってないけれど・・・)、映画「ノルウェイの森」のキャストが発表され、そんなこんなでまた読みたくなったというかなんというか。

思えば、この一連の作品を続けて一気に読んだことはなかったので、結構新鮮な気分でした。こういう時系列だったのね、とか、この人はここでこうなっていたんでしたねえ、とか、独特の世界観の中を流れる一筋のラインが少しは見えた気がしたなあ、と。

ちなみに「1Q84」を買っていないのは今買うと睡眠不足になりそうだから。まあ、日々の生活が落ち着いている時なんてそうそうあるもんじゃないけれど、ばたばたしている時に買うと他にもやりたいことはたくさんあって、必然的に寝る時間が削られる・・・もちろん、出張にもっていってもよかったんですが、ちょっとかさばるなあ、と思ったり。(まあ、四部作の文庫本を持っていったんでほとんど変わらないっていう話もありますけれど)

そんなことをいっているけれど、単に買うタイミングを逃した言い訳なんだと思うわけで、増刷後本屋に行った時に店頭で見つけたら買ってるんじゃないかなあ。

1Q84 BOOK 1 1Q84 BOOK 2