『「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた』を読みました

Newton特集オススメの本を読んでみる企画はこれでひと段落。

「ネコひねり問題」っていうのはあれですね、ネコは落下する時に必ず足から着地するというやつです。その話で500ページ弱もあるわけですが、それだけを話題にしているわけではなく、ネコひねり問題をキーとした科学技術史の本という感じでしょうか。

落下状況を確認するには写真などに収める必要がありますよね、ってことで写真技術の歴史といった具合。ほかにも脳や神経/筋肉といった生物系の話もありつつ、もちろん落下といえば物理なので、ニュートン力学から相対論を経由して量子論、宇宙物理学まで話は進んでいきます。

ひねりを再現するという意味ではシミュレーションするための計算機(コンピュータ)からロボットまで。宇宙飛行士が無重力化でどうやって体勢を変えるか、なんていう話も。

これらすべてがネコにつながっているというわけなのでネコは奥が深い。

最後には科学者とネコっていうことで、論文の共著者となったネコのエピソードなど、ネコ三昧の一冊です。ハッブル望遠鏡のハッブルさんの飼い猫の名前がコペルニクスだったのは思わずニヤニヤしちゃいますね、

物理学は物事を単純に記述できることを目指すっていうのはなるほど確かにそうだった。だけど、ネコひねりはたった1つの解を持つわけじゃなくて、複数解の合わせ技っぽい雰囲気。

ちなみに自分はどちらかといえばイヌ派ですけれど、それはさておきおもしろい一冊でした。