「読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし」を読みました

毎月購読しているNewtonの最新号で、いろんな科学系の書籍を紹介する特集が組まれていたんですが、その中でお薦めされていた本。

もちろん、自分は空のことには大変興味がある人ですし、荒木さんの本は読んだことがなかったのでこれを機に、と。

気象学系の専門書に書いてあるようなことをかみ砕いて説明されていたり(そのおかげで専門書で挫折した身としても読みやすかった)、いつの間にか空と雲に興味を持った子との会話に出てくるような雲や虹の話があったり、空を見上げたり雲を眺めたりするの好きな人はとりあえず読んだら?って感じですね。

SNS絡みの話もちょいちょい出てくるのが今風で。科学的アプローチの啓蒙みたいなものちらほらとね。

自分で予報をするわけじゃないけれど、天気予報のアプリとか開発している身としては、レーダーの話とか生の配信データを見てたりするので「そうそう、そうよねえ」みたいなこともあったりして、そういうちょっと違った楽しみ方もできました。

すぐにすべてを知識の糧として使えるわけじゃないけれど、ちょっとくらいは空の見え方が変わったかな、と、冬空を見上げながら思う今日この頃です。

こういう本をきっかけにみんなが空を眺めるようになるといいなあ。(そして、天気予報にもっと興味を持って、アプリを使ってくれたらいいなあ。宣伝w> そら案内 | ホーム

「可能性にアクセスするパフォーマンス医学」を読みました

今年一冊目、といいつつ去年末ごろからのんびり読んでいたけれど、積ん読たまってきたので一気に読み終えたという感じで。

当然ながら別に格闘系でもなければ、そもそもスポーツもほぼしない人なんですけれど、ちょっとタイムラインに流れてきて自分の体を使うっていうことに興味があったので、と。まあ一応趣味で楽器を弾いたりしていますしね。

イメージ大事。脳がどう認識しているのかとか、筋肉がどう動くのかとか、骨がどうつながっているのかとか、そんな医学的な難しい話はさておいても、ちょっと意識するだけで変わることもあるんだろうな。

もう最近は全然やってないけれどボルダリングやってる頃に読んだらまた壁ののぼり方が変わったかもしれないとかそんなことを思いつつ、今はとりあえずいい感じに応用できないかって意識しながら演奏していきたいところです。

「シベリウス (作曲家・人と作品シリーズ)」を読みました

作曲家シリーズもこれでひと段落。自オケの今シーズンで弾く作曲家は全部読んだことになりますね。

今まで読んできた中では比較的最近の作曲家シベリウスさん。「フィンランディア」作ったしフィンランドの人よね?くらいの認識でしたが、あのあたりはほんとに歴史的にいろいろと複雑な事情があるようで。

まあ、どの作曲家も18〜20世紀くらいなので社会的には激しく動いているタイミングもありますし、世界史で習うような出来事が普通に作曲の横で起きてるみたいなこともありますよね。

さて、シベリウスさん、お酒あり、タバコあり、作曲するために家族と別居してみたり、そんな感じのわりとありがちなパターンだよねえ、と。奥さん一筋だったのがまだましか、とか。やっぱりお金がなくて困ってるっていうところですが、このくらいの時代になってくると著作権の概念も生まれてきたようで、演奏されることで得られる収入もあったっぽいですね。

交響曲、そういえば2番3番は弾いたことある(1番もよく演奏される)けれど、3番もすぐには口ずさめないなあ、と思って3番以降をもう一度聞き直してみました。

3番、こんな曲だった。今思えばまだ普通にわかりやすい部類だし、かっこいい
4番、確かに難解・・・当時これは大変そう
5番、かっこいい〜いつかやりたい
6番、きれいですね
7番、こっちもきれい、これもいつかやりたい

もちろん個人の感想ですが、4番を聴くと他のはまだなんとなくすんなり入ってきそうな気がしました。気のせいかもだけど。

流行に流されることなくとにかく自分の音楽を追求したシベリウスさん。8番が有耶無耶に無くなってしまった(全部燃やしたのでは、という話)のはほんとに残念ですね。でも本人が納得いかなかったら仕方ないかあ。

さてこれでひと段落なので次はどのジャンルを読もうかな。

「ベートーヴェン (作曲家・人と作品シリーズ)」を読みました

先日のチャイコフスキーに続いて、今度はベートーヴェンを。

ベートーヴェン – 音楽之友社

思えば、ベートーヴェンだけは子どものころになんか伝記とか読んだ記憶ありますよね。あと、マンガでかかれた世界の偉人みたいなのも何度も読んだ気がする。なので、いくつかのエピソードはなんとなく頭に残ってるし、そんな感じでこの本を手に取りました。

といっても300ページほどの本のうち評伝的なのは200ページであとは曲解説なので、200ページではエピソードは全部は語れない、というか、そういえばこの話はなかったな、ということもあったり(ということに読んだ後に気付いた)

作曲家の話はほんと最終的にはお金の話になっていくところもあって、やっぱり大変だなあという身もふたもない感想を持ってしまうわけですけれど、パトロン何人も抱えていい感じにスタートしたと思いきや、だんだんそれもうまくいかなくて出版社に前借りするみたいな話になるんですよね。自分で演奏会企画してももうからない、とかね。場所代と演奏家への支払いをしてしまうと、作曲者にはあまり残らないというつらい話。

色恋沙汰的あものはあまり触れられていなかったけれど、その一方で甥っ子に対しては一悶着どころかいろいろあったみたいでそのへん子育てって難しい。

ちなみに、今度交響曲5番をやるんですが(「運命」と名のついたそもそものエピソードが眉唾扱いなので、できれば番号表記で会話したいけれど「うんめい」の略称が便利すぎて・・・)5〜6番を作曲した頃のエピソードはそんなに書かれてなくて、、、ほかの曲に比べたらそれほどのことはなにもなかったのか紙面の都合なのか、どっちなんだろな。

後半の曲解説に交響曲にたいしてはハイドンやモーツァルトと違ってもっと慎重に作ってたみたいな話があったけれど、その後のブラームスさんはさらに慎重だったよねえ、とかそんな時代の移り変わりを感じながら。

よーし、これで初めての5番にもう一度向かい合っていきましょうか。5番はなんやかんやで初物尽くし(チェロバスが分離したり、トロンボーン・ピッコロ・コンファゴが入ったり)ですからね、楽しみですね。

「チャイコフスキー (作曲家・人と作品シリーズ)」を読みました

今シーズンは偶然にも全部評伝がでているので、順番に読んでいかねばと。で、最初は先日読んだロメジュリつながりでチャイコフスキーさんから。

チャイコフスキー – 音楽之友社

管弦楽曲にはそれなりになじみもあるので、そのせいで多少は知っていることもちらほらと。「男友達」の話は有名ですしね。

作曲家はいつもお金に困ってそうで、作った音楽は出版社に売りきりですし、職業作曲家ともなると確かに大変。(このへん、著作権の概念が生まれて管理されるようになって改善したのでしょう、きっと)

時代背景もあってロシア帝政まっただ中ではありますが、そのおかげでかなり自由に作曲できたのかなとか。宗教曲は一悶着あったようですが、それでもその後のロシアの作曲家に比べれば、ですね。

この時代といえば、いわゆる五人組もいたんですけれど、あまり仲は良くなかったみたい。ブラームスとの絡みもちょっとだけ、これはブラームス側の評伝にもあったなあ。

女性関係もそんなに大変な感じじゃなかった(男性関係には悩んでいたようですが)し、ある意味全うな人生を送ってるほうではないかと思った次第です。それはどうなの?っていう作曲家多いから・・・

筆まめな人だったようで大量の手紙が残ってるわけですが、本人が危惧していたように後世の人に全部読まれてしまって、こうやって本になったりしていて、有名になるのもほんとに大変だわ。

私自身が演奏した当時はあまり考えてなかったけれど悲愴はほんとに死ぬ間際だったのですね。死も突然ですけれど。そして突然すぎていろんな疑惑が生まれたようですけれど。

なんと肉声残ってるんですよね。Wikipediaから聞けます↓
ピョートル・チャイコフスキー – Wikipedia


いろんな作曲家の評伝を読んでいると、時代的な横のつながりが結構面白くなってきて、じゃあみんなどのくらい同じ時代を生きてるんだろうって、思わず自分で表を作ってしまった。

ここ最近の自分の音楽活動に関係しそうな作曲家が主ですが。で、ここに弾いた曲をプロットしていくと、また違った視点で面白いかもねと思ったり。

それはさておき、少しはチャイコフスキーの音楽に近づけたかな、どうかな。近づけていたらいいな。練習もしなくちゃですが、ね。

「戦争と交渉の経済学」を読みました

話題になっているようでしたし、なんとなくタイムリーな気がしたので、と思って手に取ったら結構長かったし、読んでるうちにタイムリーかなと思っていた時期をこえて、ドンピシャな出来事も起こってしまって、それはそれでなんといいますか・・・

さて、現在進行形の事象について私が言えることは何もないですけれど、帯に書いてある「平和とは、敵同士が損得勘定で戦争を避けることにほかならない」というのは実際に読んでみて、なるほどなと。

どこにだって銀の弾丸はないですし、必勝パターンとか絶対うまくいくベストプラクティスなんて存在しないのにね、なぜかそれを妄想しちゃうんですよね。

物事はすぐには改善しないけれど、一歩ずつ、半歩ずつ進んでいても遅いから失敗っていわれたり、世の中なかなかうまくいかないものです。

自分は島国の片隅でかたかたとキーボードをたたくだけの人間ですけれど、世の中の見方がちょっとだけ変わったかもな、と思った一冊でした。

ちなみに、紛争の話もたくさん出てくるんですが、ちょっと前に途中まで読んでた「紛争でしたら八田まで」が前提知識として役に立つこともあったので、これはこれでちゃんと全部読んだらこれまた世界の見方が変わるかもと思った今日この頃。

本自体は結構分厚い(90ページくらいの参考文献ページがある、といっても本文450ページなのでなかなか)けれど、そして少しずつ読んでたので序盤の話はかなり抜けているけれど、一つの見方として読んでみるといいかもしれないですね。

「ロミオとジュリエット」を読みました

次のオケ本番に向けて、いろいろ積ん読がたまってきたんですが、そういや、まずこれを読むべきでしょ、って思い立ったので。

ありますよね。ストーリーなんとなく知ってるけど、ちゃんと原作読んだことない話。これも原語ではないので、原作といっていいかどうかはわからないですけれど・・・

本筋とは関係ない印象として、原語がそうなっているのか、訳でこうなったのかはわからないですが、なんか「下ネタ」っぽいの多すぎ(笑。これが韻を踏んでていい感じの詩なのかもしれないですがにしても「下ネタ」混じりじゃないと会話できひんの?って思ってしまった。

そもそも、片思いの恋煩いで苦しんでるところからのスタートなのに、その日行われたパーティに忍び込んだらジュリエットに一目ぼれして、その夜のうちに婚約、っておいおい。

で、次のこっそり結婚して、帰り道にケンカで人(ジュリエットの従兄弟)を殺して、殺人罪で追放。。。

あれよあれよと、日曜にはじまった物語が、二人の死を迎えるのが木曜日。両家が仲直りした終幕としては金曜になってましたが、これ1週間以内の出来事なのか〜情報量多いなあ

と、令和の自分感覚で読むと突っ込みどころ多いですが、なるほどこれが長年いろんな題材に形を変えて語り継がれてきた物語なのかと。

今回演奏するのは、プロコのバレエじゃなくて、チャイコの幻想序曲のほうですが、そんな情景を頭に浮かべながら弾けたらいいですね。

そうそう、個人的に一番びっくりしたのが、ジュリエットの母親が14歳になるジュリエットに「おまえの年頃にはおまえを生んでました」といって結婚をすすめるシーン。まじか。時代もあるけれど、そんなにはやいですか、そうですか、とね。

そんなに長い話でもないので、自分も通勤中とか移動中にあっという間に読んでしまいましたし、一度読んでみるといいかもですね。

「ソフトウェア開発にChatGPTは使えるのか?」を読みました

夏の読書第一段(右側)。最近、というか前から話題ですね。ChatGPT。

日常生活でも、仕事の場面でもちょいちょい使っていて、APIにアクセスしてみたりしている今日この頃ですが、夏休み(ないけど)を機会にそろそろまとまったテキストでも読んでみるかということで。

新しいネタはネット上のものを断片的に拾うより、まずは数冊読んでみてっていうほうがしっくりくる人なので、そういう感じで。

「使えるのか?」っていわれれば使えますよね、実際。そもそも使ってる。

どういう感じで質問を投げたらよいのか、プロンプトとどう仲良くしたらよいのか、にはじまって、APIの使い方などもいろいろ例を取りそろえられていて、残念ながらpythonのコードは読めないのでそこは雰囲気でしたけれど(って、これこそChatGPTにわかる言語で書き直してもらう案件か!)、ChatGPT入門:エンジニア編、みたいな感じで読みやすかったです。

特にAPIにおけるプロンプトの組み方はいろいろと参考になりました。先人たちの知恵大事。

もっともっと普段使いしていきたいですね。複数の開発用語をわたしてググるくらいなら、Chatにテキスト流したほうがわかりやすかったりしますしね。ただ、改行ですぐに送信されてしまうのがつらくて、いったんエディタに文章を展開してからコピペすることが多いので、そこがちょっと手間になってるのはあるんだよなあ。ブラウザ拡張とかでなんとかしていきますかね。

次は夏の読書第二段で左のほうを。

「リスト (作曲家・人と作品シリーズ)」を読みました

所属オケで新シーズン始まったので、それに合わせて新しい人を。

なんかとにかくピアノがうまい人っていうイメージしかなかったんですが、いろいろ印象変わりましたね。

確かに史上初めてピアノだけの演奏会を開催した人ではあるけれど。そして、ピアノだけのリサイタルのために既存のオケ曲をいっぱいピアノ用に編曲したのか、なるほど。

なんとなく同時代のブラームスと二大派閥を、と思っていたけれど(実際「ブラームス」の本を読んだ時はそういうふうに受け取った)、こちら側から見ると別に相手をどうとかそういう感じではなく、目指すものはそんなに違わないけれど、ちょっと音楽の作り方が違うだけっていう感じだし、単に担ぎ上げられた感じもあるなあと。なんでもそうだけれど、両側からの視点大事、ってやつだこれは。

宗教どっぷりなところ(聖職者になったり、曰く「音楽は本質的に宗教的である」)も初耳でしたので、せっかくなので「キリスト」をBGMにしてみたりとか(あくまでBGMだったので、ここではとても壮大な曲でした、と書いておきます)

天才はみんなの役に立つべき、っていうのもすごいっすね。だからいろんな人に教えてきたし、音楽院もできたんですねえ。なんなら、今度のプログラムであるボロディンさんもリストのところに来てるし、いろいろつながってた。といっても、同時代の作曲家なら、みんななにかしらつながりあったりするよね、というところではありますが。

ピアニストエピソードとしては、グリーグの持ってきた例の協奏曲を初見で弾いたって話があって、演奏されたこともない曲を初見で弾けるのか!って思ったり(いや、実は、偉大なピアニストならそのくらい当然、なのかもしれないけど・・・)

そんなわけで、リストの曲に対する見方がずいぶんと変わった気もしますし、これで自分の音も変わるといいですよねえ(そこはなんとなく他力本願)

「黒死館殺人事件」を読みました

買ってから奇書だって知ったわけです。実のところ。というのもこのカバーのせい。

文豪ストレイドッグスというアニメ/マンガのキャラクター(キャラ名がそのまま文豪の名前なのです)がカバーになった文庫がでてまして、これなら子が読んでみたいというから。。。つい大人買いを。

文ストカバー本 – itokの日記(2023.5.15)

そして、自分も読んだことないのがあったので、まあ、ミステリーっぽいしここからいくかと、虫くん(文スト内でそう呼ばれてる)の本を手に取ったのが運の尽きか。

厳密にいうとまず先に載っていた「完全犯罪」の冒頭数ページでしんどかったのです。これはつらい。でも80ページくらいだったしなんとか、、、と読み終わったあとにやってきた超難関。

虫くん「完全犯罪」 – itokの日記(2023.5.26)

↑でも書いてるけれど、ミステリーっていうかファンタジーだよね。異世界ミステリーみたいな。多分生きてる世界が違う。

明かされた?トリックに「そうはならんやろ!」って突っ込んだり、なんでみんなこんなに小難しい話が普通に通じてるの?って思ったり、紙面に並んでる難しい言葉たちを文字としてふわ〜って広く浅く目でなぞりながら読んでました。

終盤、そろそろ解決するか?となってから、でもあとこのページ数でちゃんと全部回収されるのか?って逆に不安になったり・・・(以後ネタバレ禁止、って誰も読まないか→とか言ってたら、子に「ネタバレ禁止」って言われた

読み終わったあと、なんか「黒死館殺人事件 解説 ネタバレ」とかで検索して、自分の理解が正しかったのかを確かめてしまったしだい。なにが正解かはわからんけれど。

そして、これ読んだら「自慢できる」らしいですね、それも知らんかったわ。別に最初の2行で挫折するとかはなかったです。それをいうなら「完全犯罪」のほうが最初で挫折しそうだったけれど。

いや、なんかすごい本を読みました。でも、通勤途中とか、寝る前とか、意外に一気に読めたかなと。

まあ、もしこの不思議な世界を試してみたい方がおられましたら、ぜひどうぞ。