「WHO YOU ARE」を読みました

久しぶりに読んだ本について。

チームの作り方、というか企業文化の作り方。みたいな本。

自分自身、一応会社経営者っぽい側面もあるわけですが、基本一人会社なので、チームなどとは無縁。とはいえ、なんかこういうのもたまにはいいよね、と。

作り方って書いたけど、別に「この通りにやれば大丈夫!」っていう話では全然なくて(もちろん、そんな注意書きが冒頭のほうにあった)、いろんな企業文化(集合体の文化)について分析して、読み手の参考に、っていう本ですね。

武士道が一つの題材になっているところとか、日本人としては読みやすいのかもしれない。

ちなみに著者前作の「HARD THINGS」は読んでないですが、たまにちょこっと参照されたりしてました。

上述のように、一人会社なので、とくに企業文化の必要性にはせまられていないのですが、それでも、正直さ大事、言行一致大事、とかは心に留めておきましょう。

そうそう「私たちの目標はうまくやることだ。完璧を目指すことじゃない」っていうのは少なくとも自分にとっては普遍的なフレーズな気がしました。

規模を大きくしていくぞっていうベンチャーな社長さんとかは読んでみるとよいのかも。

「レガシーコードからの脱却」を読みました

たまには真面目な開発の本も読みます。(いや、どの本もいつも真面目ですけどね)

だいたい1人〜数人で開発していることが多いから、そんな大規模のプロジェクトをっていうことはないんですけれども、心構えとしてはいろいろ自分を省みるところは多いです。

僕個人の受けた印象としては(作者の意図と大きく違ったらごめんなさい)

  • テスト大事
  • クラスとメソッドはコンパクトに
  • リファクタリングびびるな

まあ、テストについては、わかってるんですよ。わかってるんですけどね。。。といいつつ時間が過ぎている。。。

残り2つについてもまあ別に新しい話ではないのですけれど、テキストとして読むと印象に残るし、そしてなんかできそうな気がしてくる。

100%を1つのプロダクトにあてることができるわけでもないので(公私共にあわせると、常時、平均してだいたい3〜4個くらいのプロジェクトが同時進行しているから)、そこは時間配分との勝負になりますが、より良いコード、というかそこから導かれるはずの寿命の長いソフトウェア、メンテしやすいソフトウェア、を目指していきたいものですね。

というわけで、この本、なにか開発現場で困っている時の一つのよりどころにはなるかな、と。

「数の女王」を読みました

最近おなじみの科学技術書っぽいファンタジー小説。

でも今回はコンピュータっぽい話じゃなくて、純粋に数のお話。素数とかがメインかな。

いや、数っておもろいですね。素数についても知らないことがいっぱいあったし、こうやって数のいろんな性質を調べてきた人たちがいたんだなあ、と。(6が完全数とか、わりと身近に気付きそうなものだけど、考えたこともなかった、気がする)

純粋に数の話っていう意味では、前のオートマトンとかチューリングよりは読みやすいかもしれない。

ちなみに、この川添さんの作品はいつも、物語に引き込まれて勢いで全部を読んだ後に、その背景にある数とかの理論を気にしながら、わかってる伏線回収を自分でひろいつつ読み直すスタイルです。なので、この本も2回読んじゃいました。

読みたい本まだまだたくさんあるけど、次は何にしようかなあ。

「自動人形の城」を読みました

今年最後の読書は、ファンタジーっぽいAIな本。

前作のオートマトンとかチューリングの話とはうって変わって、人工知能的な話。主に、機械にどうやって言葉(意図)を伝えるのか、理解してもらうのか、というところかな。

わがまま王子と機械人形の話です。まったく会話が通じないとこからどうやって、思い通りに動いてもらうのか、と。

いや、実際難しいですよね、このへん。

いわゆるスマートスピーカー系は、できることをしぼって、キーワードもある程度の取り決めがあって、実現しているところはあるので、それがどのくらい汎用的にできるようになるんでしょうね。まずは汎用的にできなくても(機能・用途特化でも)よさそうだけど。

日本語はさらに「ゼロ代名詞」あるしねえ。と、別にAIのことは全然専門じゃないけど、どちらかといえば実装側の人間なのでそっちの立場としてもいろいろ気になったりした本でした。

前作2つよりは数学的要素少ないので、普通に読みやすいのではないかと思いました。

結局イタチのも読むかなあ。

「精霊の箱」を読みました

物語の皮をかぶったコンピュータサイエンス入門書第2段。

前回のオートマトンの話に続いて、今回はチューリングマシンの話です。

例によって物語に引き込まれて、特に最後の方は勢い良く読んでしまったので、細かい話がよくわからなくなってしまい、結局全編2回読んで今に至ります。

いやあ、おもしろかった。ただし、チューリングマシンについて理解できたかは不明。

魔法というジャンルをこういう視点で記述された物語って今までであったことがなかったので新鮮でした。

暗号大事。秘密鍵方式大事。

同じ著者のをもう一冊買ってるので、それはまた冬休みの読書にしよう。

「白と黒のとびら」を読みました

物語の皮をかぶった技術書(技術書というか学術書?)。

オートマトンの入門書みたいなものってことでいいと思うんですが、なんか、ちょっとこういう分野のも読んでいこうと思って手に取ったという感じで。

物語としては読みやすかったし、おもしろかったんですが、自分の理解が追いつかなかったので、ちゃんとかみ砕くのに全編2回読みましたね。あと、後書きも4回くらい読んだ。だからといって理解できたかどうかは不明。こういうの苦手なんだろうなあ・・・>自分

ちなみにいうと、もうちょっとちゃんとしたのも読もうと思って、これと同時に

これも買ってるんですが、こっちはもうなんていうか、数式と定義が頭の中を素通りしていきます。あー。一応理系(理論物理系)だったんだけどなあ・・・

とはいえ、ほんとすごくおもしろかったので、この続きのシリーズも読んでいこうかなと思ってます。

「ビッグ・クエスチョン」を読みました

物理専攻の学生だったのに、ホーキング博士の著作を読んだのはこれが初めてですが、博士の最後の本を読みました。

物理の話から、それだけじゃなくて、科学全般の話、未来の話、いろんな話を博士の目線で書かれていておもしろかったです。科学者がこういった質問に答えるとこうなるのかあ、と。

中でも「人間原理」という考え方、なんとなくふんわり思ったことはあるけれど、こうやってテキストではっきり書かれると、そうか〜という発見でよかったです。

あとは、ノーベル賞に関する記述(これがうまくいけばいつかとれるのでは?的な)があって、注釈に「残念ながら決してかなわなくなってしまった(概略)」とあってしんみりしたり。

前知識なしに、普通に読み物として読めますので、この偉大な科学者の片鱗にちょっとふれてみるのもいいのではないでしょうか。

「三体」を読みました

話題のSF超大作「三体」を読みました。

そういやSFを読むのは久しぶりだなあと思いつつページをめくと、、、

あれ?歴史物やっけ?、、、ミステリー?、、、んなアホな!って、あ、そうかSFやったわ〜

という感じで大変おもしろかったです。

ほんと、なんとなく、ですけど「世界の終わりとハードボイルド〜」みたいな雰囲気あるなって思った。(これは伝わらんか〜

ちょうど脇でホーキング博士の最後の本「ビッグ・クエスチョン」を読んでいるところだったので、これはリアル?あれはフィクション?みたいにたまに頭が混乱しつつ、それだけ緻密な設定というところも楽しめるポイント。(一応、私自身も物理系の勉強してたしね)

そういえば、いろんな登場人物(しかも日本の名前じゃない)が出てくる本として、嬉しい登場人物一覧。しかも書籍本体とは別に挟み込まれているという配慮。存分に活用させてもらいました。

続刊の日本語訳は来年発売っぽいのでそれが楽しみですね(さすがに、その前に原著とか英訳版を読むのは無理なんで)

夏休みの読書にいかがですか?(僕は夏休み前に読んじゃいましたけども

「Carver’s dozen – レイモンド・カーヴァー傑作選」を読みました

アメリカ出張中にアメリカの小説(村上春樹訳)を読もうという企画その2。

といっても、道中で読了しなかったので、帰ってきてからも読んでましたが。

今度はレイモンド・カーヴァーです。

短編がたくさんつまって、どれもじんわり心に残る感じ。どの作品も前書きとして選者(訳者)のコメントがついていたので、それもふまえつつ楽しく読ませてもらいました。

やっぱり有名どころな「ささやかだけれど、役にたつこと」とか「足もとに流れる深い川」とかがよかったです。

「ささやかだけれど、役にたつこと」にはもっと(ものすごく)短いバージョンもあるみたいで、そっちもちょっと気になりました。いつか出会う日もあるかもな。

そんなこんなで久しぶりの小説三昧もこれで終わり。さて、次はなんの本を読もうかなあ。

「ティファニーで朝食を」を読みました

WWDC出発前、「アメリカに行く時、なに読もうかな」「私は、海外に行く時はその国の小説読んでだけど・・・」

という夫婦の会話から、「そうか、じゃあ、アメリカの小説を。そういや、村上春樹の新訳がいろいろでていたような・・・」ということで、アメリカの小説(村上春樹訳)を読もうという企画その1。

ずいぶんと昔に映画を観たことはあります。全然おぼえてないけど、とにかくオードリーはきれいだったなあ、とかそういう記憶。

で、実際のところは、と。

もうなんか村上節がっつりで本人が書いた小節じゃないかと思うところもありましたが、それはそれとして、うっすらと記憶の片隅にあったような映画と全然違う印象。(それは本人も後書きで書いてましたけど)

そして普通におもしろかったです。自由人過ぎる。

偶然ながら、飛行機の中での上映映画のリストにこの作品が含まれていたので、帰りの飛行機で(行きはまだ本作読み中だったので)みようかと思っていたんですが、英語音声の字幕なししかなくて、さすがにそれは無理やわぁとあきらめました。


ちなみに、今どきは電子書籍なのかもしれないですけれど、飛行機での電子機器の使用とか、道中での治安的なものをかんがみて、こういう時は普通の文庫本が確実かな、という。

でも、文庫本を欲していたこともあって、ほんとは「グレート・ギャツビー」が読みたかったけど、村上春樹訳の文庫版はなかったのよねえ(あと、ライ麦畑っていう案もあったけど、この歳であの青春小説はつらい気がして・・・

たまにはこういう名作を改めて読むのもよいですね。