光と影

 光がなければ影は存在しないし、影がなければ光の存在には気がつかないだろう。いやいや、こんな概念的な話はどうでもいいとして・・・いつもなら光だけしか見えないのにも関わらず。。。ということがあって嬉しかったんですよ。
 学校を出た時、目の前には月齢3弱の細い月がどどーんを控えておりまして、もうそれだけでも、「ああ、秋晴れっていいですなあ・・・」なんて、勝手に感慨深くなっておりました。藍色の空に細い輝きが。
 で、さらに、ちょっと買い物を済ませて、お店から出た時、すっかりあたりは夜に支配されてきて、そして、濃い藍色の空に、やっぱり細い輝きが、そしてそこにはちゃんと黒い影が。「うわ!ひさしぶりですなあ」と。細い輝きに、漆黒の影、そして柔らかい藍色の空。うむうむ。空はまるで平面みたいで、きれいなグラデーションが西に向かって流れていき、そんな中に、浮き出るかのように(というかほんとに浮き出て見えたけど)丸い月。ほんとは三日月なんだけど、ちゃんと全部が見えてる。なんかすごい存在感だ。
 急いで家に帰って(というのも、帰っている途中はちょうど見えないことが多い上に、よそ見してると事故るほどに自転車の流れがきついんで)カーテンを開けてしばしご鑑賞。ふう。
 その時はまだ空は藍色っぽかったけど、そのあとも、すっかり闇夜になってしまっても、ぎりぎり沈むまで、月は丸いままでした。ほんとすごい存在感。闇夜に浮かび上がる黒い影。いやあ、いいもん見させていただきました。