1つの偶然

 なのかどうかわからないけど、先日、例の自爆テロからちょうど1年が経ったわけで、そんな話がいろんなメディアでもちきりだったころ、ふと、昔の話を思い出した。正確にいうと、昔書いた話を。内容は稚拙だから(とはいっても、当時は数年がかりで、作り上げた記憶がある。人物構成はあらかじめちゃんと考えたり、書き上げたあとに何度も手を加えて)、さておいて、問題なのは、その出だしだった。1998年1月19日、新宿の都庁が瓦礫と化す。なんか、話としてはよく似ているかも、と思い出したのだ。かたや現実の話なだけに、本来はこういうことを書くこともはばかれるべきなのかもしれないけれど。
 僕の話の場合は、飛行機が突っ込んだわけでもなく、単なる爆破にあたる。しかも自爆・・・ただ、これはテロではなくて、いわば宗教的・儀礼的なものだった。いや、象徴的というべきか。誰も得をしなかったろうし、単に、「破壊」その物の行為が重要だった、と記憶している。というか、読み返してみると、そういうことになっているようだ。
 読み返して、さらにびっくりしたことに、事件の捜査をしている警察の言葉にこういうのがあった。「そうですね・・・アメリカでだってこんな爆破はないっていうのに・・・一体なんのために・・・」う〜ん、ちょっとぞくっときた。単なる偶然だけれども、でも、こういうことがあると、なんだか、不思議な気分だ。こういう偶然の出来事って、自分には関係のないことだと思っていたし、多分これからもそうだろうけども、この一件はそういった流れとはちょっと違ったとこにあるものなのかもしれない、と。
 それだけでおわらず、この話は、最初の事件からちょうど3年後の同じ日に終末をむかえる。今度は手始めに日本の国会議事堂が跡形もなく消え去って・・・(結局は、地球上の生命がほぼ絶滅してしまうんですけどね)
 実は、自分もURLすら忘れてしまったけど、この話は公開されている。検索すれば出てくるので、まあ、現存しているのはたしかみたいです。でも、もう消します。なんとか記憶の片隅に残っていたアカウントでログインできるみたいだったので。ひょっとしたら、またいつか、どこかで復活しているかもしれない。でも、多分ないでしょうね。だって、もう、文章を書かなくなってからかなりの年月が経ってしまったから・・・